山口県阿武町が4630万円を誤って振り込んだ問題で、逮捕された男が取引した決済代行業者から、町に3500万円あまりが返還されていたことが分かりました。
これに対し、阿武町は「係争中の事件なのでお答えは控えさせていただきたい」とコメントしています。
そこで今回は、なぜ決済代行業者の1つが山口県阿武町に3500万円を返還したのか?
その理由についてお伝えしていきます。
4630万円誤送金問題 決済代行業者が3500万円を阿武町に返還
山口県・阿武町が4630万円を誤って振り込んだ問題で、逮捕された24歳の男が取引した決済代行業者から町に3500万円余りが返還されていたことが分かりました。
阿武町の無職、田口翔容疑者(24)はコロナ関連の給付金4630万円について、誤送金されたと知りながら決済代行業者の口座に400万円を振り替え、不法に利益を得た疑いで逮捕・送検されています。
田口容疑者は「ネットカジノで使った」と容疑を認めていますが、田口容疑者の逮捕後に、出金先の1つの決済代行業者から阿武町に3500万円あまりが返還されていたことが関係者への取材で分かりました。
阿武町は5月24日に会見を開く予定ですが、「現在、係争中の事件であるためお答えは控えさせていただきます」としています。
決済代行業者が3500万円を返還した不可解な点
山口県警の調べなどで、田口容疑者は自分の口座に誤入金された4630万円を「オンラインカジノで使った」と供述していました。
しかし5月20日、そのオンラインカジノで利用したという決済代行業者3社のうちの1社が、町の口座に3500万円余りを返還していたとして驚きと安堵の声が広がっているのですが、この状況はどこか不可解だと話題になっています。
その理由は以下になります↓
阿武町は田口容疑者が誤送金のお金を動かした時点で口座を差し押さえていたわけではありません。
であれば、業者が返還する場合、まずは田口容疑者の口座に入金し、それから阿武町がそのお金を回収する。
という流れになるのが自然です。
それにも関わらず、業者はなぜいきなり、阿武町に直接返還したのか。
さらに不可解な点は、金融機関などの契約書類には、
「契約者に不正行為などの規約違反があった場合は契約を一方的に解除でき、責任を負わない」
などと規定されていることが多いです。
仮に今回の決済代行業者が上記の記載をしていた場合、返還する義務はない可能性も考えられます。
そのため、ネット上でも「何だか業者も怪しいな」や「業者は報道で大騒ぎしているのを見て、面倒なことになったと思って慌てて返還した」、「ネットカジノという灰色の世界で、捜査の目が自分たちに向くのを嫌がった」など様々な見方が出ています。
決済代行業者が3500万円を返還した理由!
では、なぜ決済代行業者の1つは山口県阿武町に3500万円を返還したのでしょうか。
その考えられる主な理由として以下が挙げられています↓
ネットカジノでは本来ユーザーはカジノ側とのやり取りしかせず、代行業者はカジノ側がユーザーのお金を受け取る際に法に触れないようにカジノ側が利用しているだけです。
カジノ側が返金するので有ればお金をプールしていたと考えられるが、ユーザーと登録等の接点を持たない代行業者が返金すると云うことは、警察の捜査逃れだと考えられます。
要は、今回返還した決済代行業者は国税庁や警察のメスが入るリスクを回避するために、このような行動を取った可能性が高いと見られています。
また、返還したお金は田口翔容疑者から実際に振り込まれたものではなく、決済代行業者が自ら出したものではないかとも言われています。
5000ドル前後はカード入金が可能なのでデビットカードで入金していますが(この際もカジノ側は直接ではなく暗号資産に一度替えて、ユーザーは暗号資産の購入とのかたちにして受け取っています)、10000ドル程の高額入金の場合はカード入金は不可で振込入金になりますがこの際に経由しているのが代行業者です。
あくまで経由地でお金は全てカジノに行っているはずなので、今回のお金は容疑者の使ったお金では無いと考えられます。
ただ、元がどこのお金であれ容疑者の同意なく町には振り込めない為、正しい手順は踏んでいる可能性が高いです。
また過去には、犯罪で得たお金を動かした代行業者も逮捕された事件があったので、今回業者が動いたとの見方も出ています。