ロシア軍が2月24日、ウクライナへの全面的な侵攻を開始し、同日夕から未明にかけても、ロシア軍とウクライナ軍との激戦が各地で続いています。
被害状況も次第に明らかになっており、その悲惨さが浮き彫りになってきています。
そこで今回は、ウクライナ情勢による日本への影響を簡単にわかりやすく解説していきたいと思います。
ロシア軍 ウクライナの首都キエフに攻撃開始
ウクライナの首都キエフでは、日本時間の26日朝から断続的に爆発音が聞かれ、地元メディアは、ロシア軍が首都キエフ中心への攻撃を開始したと伝えています。
また、首都キエフ市内の西で、ロシア軍とウクライナ軍との間で激しい戦闘があったとも報道。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア軍が26日にも、首都キエフを攻撃するとの見通しを示し、最も厳しい1日になると警戒を強めています。
さらに、ゼレンスキー大統領は、閣僚らとともに自撮りした動画を公開し、「わたしは今もキエフにいる」と語り、ロシア軍から逃げずに戦う姿勢を示しています。
こちらが実際の動画になります↓
「私たちは皆ここにいる。われわれの兵士もいる。市民もいるし、みんないる。われわれはわが国の独立を守る。それがわれらの未来だ」( #ウクライナ のゼレンスキー大統領) pic.twitter.com/Iiy6ZHfBu7
— ロイター (@ReutersJapan) February 26, 2022
ロシア軍は、25日に制圧した首都キエフ近郊の空港に空挺(くうてい)部隊を送り込んだほか、クリミア半島から25日、多数の軍用車両がウクライナに進軍するなど、さらに戦力を増強しています。
ウクライナは、徹底抗戦の構えを示す一方で、ロシアに対して和平交渉を呼びかけていますが、ロシア側は、「ウクライナ軍が武器を捨てれば交渉の用意がある」と述べ、交戦が続いている間は、話し合う考えはないとの姿勢を示しています。
【簡単】ウクライナ情勢による日本への影響をわかりやすく解説!
では、ここからはウクライナ情勢による日本への影響をわかりやすく解説していきたいと思います。
1,パンやパスタなど小麦製品の値上げ
ロシアとウクライナの麦類の生産量は世界有数です。
ロシアは小麦7600万トンで世界4位、大麦1900万トンで世界2位。
ウクライナは小麦2600万トンで世界7位、大麦は830万トンで世界5位となっています。
そのため今回のウクライナ情勢により、世界的に需要と供給のバランスが崩れ、相場が高騰すると見られてます。
2,トウモロコシの値上げ
トウモロコシの生産量はウクライナが3300万トンで世界6位、ロシアは1300万トンで世界11位となっています。
そのため、こちらも小麦製品と同様に、世界的に需要と供給のバランスが崩れ、相場が高騰すると見られてます。
3,チーズや牛乳など乳製品の値上げ
ウクライナ情勢の影響が日本の酪農にも及ぼしています。
海外からの輸入に頼る家畜の餌。
その中でも主な飼料用トウモロコシの国際価格は、中国国内の需要の増加や南米での不作を受け、おととし頃から高止まりが続いていました。
そんな中、今回のウクライナ情勢により更なる価格高騰を引き起こしています。
4,スマホや自動車など入荷遅延
パソコンやスマートフォン、家電から自動車まで、あらゆる電子製品の製造に欠かすことのできない半導体。
ウクライナはネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなど半導体用原材料ガスの主要供給国であり、特にネオンガスは世界市場の約70%を供給しています。
そのため、今回のウクライナ情勢により、世界的に半導体不足が起き、電子製品などの製造が遅れる可能性も考えられます。
5,ガソリンの値上げ
ロシアは天然ガスの輸出量が世界1位、原油が2位の資源大国。
日本は液化天然ガス(LNG)の輸入の8%、原油の4%をロシアに依存しています。
そんな中、今回のウクライナ情勢により国際石油市場では、ロシアからの原油・ガス供給が長期間滞るリスクへの懸念から価格が高騰。
日本でもガソリン値上げの動きが見られています。
6,企業の業績悪化による給与削減
今のところ影響は出ていないのですが、今後もし日本とウクライナ、ロシアとの貿易間で止まるなどの問題が起きれば、関連している企業への影響はありそうです。
そんな日本とウクライナ、ロシアの主な貿易物は以下になります。
ウクライナ
輸出品は自動車、ゴムタイヤ、チューブ、二輪自動車など。
輸入品はタバコ、鉄鉱石、アルミニウムなど。
ロシア
輸出は自動車が中心。
輸入は化石燃料が中心で、他にも水産物、製材など。
ただ、日本にとって貿易相手国としてロシアは輸出入額それぞれ1%前後で低いです。